公害防止管理者 問題集
公害防止管理者等国家試験(実施: 一般社団法人 産業環境管理協会)
公害防止管理者試験の大気関係・水質関係に対応した問題集です。公害総論から各特論まで10科目を、実試験と同じ5者択一で演習できます。燃焼計算・拡散計算・処理計算も収録しています。
最初の関門は、勉強ではなく「区分選び」
公害防止管理者を目指す人が最初につまずくのは、参考書の中身ではありません。願書を出す段階で、 13ある区分のどれを受けるのかを自分で決めなければならない、という点です。大気関係の第1種から第4種、 水質関係の第1種から第4種、騒音・振動関係、ダイオキシン類関係、特定粉じん関係、一般粉じん関係、 そして公害防止主任管理者。騒音関係と振動関係が統合されて現在の13区分になったのは2006年度からで、 いまも「騒音関係」だけの資格があると誤解したまま調べ始める人がいます。
しかもこの試験は、ほとんどの科目が同じ時間帯に行われます。産業環境管理協会も、複数区分の併願は 難しいという見解を示しています。1年に1回しかない試験で、選び直しは実質的にきかない。だからこそ、 区分選びに時間を使う価値があります。
区分を決めるのは、あなたの興味ではなく工場の設備
この資格の区分は「どの分野を勉強したいか」で選ぶものではありません。根拠になっているのは、 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律です。製造業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業の工場に、 ばい煙発生施設、汚水等排出施設、騒音発生施設、振動発生施設、ダイオキシン類発生施設、 特定粉じん発生施設、一般粉じん発生施設といった施設があるとき、その施設の種類に応じた区分の 有資格者を選任する義務が生じます。つまり、必要な区分は勤め先の設備が決めているということです。
大気関係と水質関係で第1種から第4種に枝分かれしているのは、施設の規模と、有害物質を扱うかどうかの 組み合わせによるものです。上位の区分ほど守備範囲が広く、大気関係第1種の有資格者はすべての 大気関係公害発生施設に選任できます。会社から取得を求められている場合は、人事や環境部門に 「どの施設の何種が必要か」を先に確認してください。自己判断で下位の区分を取ってしまい、 選任要件を満たせなかったという遠回りが、この資格ではいちばん痛い失敗です。
科目別合格制度を、最初から計画に組み込む
この試験の性格を決定づけているのが科目別合格制度です。区分に必要な全科目を一度にそろえる必要はなく、 合格した科目は、同じ試験区分を受験する限り、合格した年を含めて3年間は申請により免除されます。 科目合格すると管理番号が発行され、例年6月初旬から中旬に「科目免除のお知らせ」が届きます。 翌年の申込みではこの番号を使って免除を申請します。
ここが学習戦略の分かれ目です。大気関係第1種は6科目、水質関係第1種は5科目あり、働きながら 一度で全科目を仕上げるのは楽ではありません。1年目に確実に取れる科目へ集中し、残りを2年目に回すという 割り切り方が、この制度のもとでは合理的な選択肢になります。逆に言えば、全科目を薄く広く回して どれも6割に届かない、という勉強の仕方がいちばん報われません。
制度と日程の要点
| 区分 | 13区分(大気関係1〜4種、水質関係1〜4種、騒音・振動関係、ダイオキシン類関係、特定粉じん関係、一般粉じん関係、公害防止主任管理者) |
|---|---|
| 受験資格 | 制限なし。学歴・実務経験を問わず受験できる |
| 試験日 | 年1回・10月。2026(令和8)年度は10月4日(日) |
| 申込み | 2026年度はインターネット申込で7月1日9時〜7月31日17時 |
| 出題形式 | 5者択一のマークシート。全区分あわせて18科目が用意されている |
| 科目数の例 | 大気関係第1種は6科目、水質関係第1種は5科目 |
| 合格基準 | 各科目60%以上の正解率で科目合格。区分に必要な全科目に合格して区分合格 |
| 科目免除 | 同一区分なら合格年を含め3年間、申請により免除 |
| 合格発表 | 2026年度は11月中旬に協会サイトで速報、12月15日に官報 |
| 受験地 | 札幌・仙台・首都圏・愛知・大阪・広島・高松・福岡・那覇およびその周辺 |
なお各科目の具体的な合格基準は、試験終了後に開かれる試験員委員会で決定され、合格発表時に公表される 仕組みです。事前公表はされていないため、「60%」はあくまで基準の目安として押さえておいてください。
合格率は年度でも区分でも動く
2025(令和7)年度の国家試験は、受験者19,845人に対し合格者7,175人、全体の合格率は36.2%でした。 その前年、2024(令和6)年度は受験者20,263人・合格者5,244人で25.9%です。同じ試験でも1年で 10ポイント以上動いており、「例年の合格率」という言い方があまり当てにならないことがわかります。
2025年度を区分別に見ると、差はさらに大きくなります。
- 水質関係第1種 46.7%(受験6,041人・合格2,821人)
- 水質関係第3種 39.7%、水質関係第4種 31.6%、水質関係第2種 26.5%
- 大気関係第1種 34.4%(受験4,064人・合格1,396人)
- 大気関係第2種 33.5%、大気関係第4種 22.6%、大気関係第3種 21.3%
注意したいのは、この数字を難易度の順位表として読まないことです。第1種は科目数が最も多いのに、 第3種・第4種より合格率が高く出ています。合格率は問題の難しさだけでなく、その区分の受験者層に 科目免除を使う再挑戦者がどれだけ含まれるかによっても動きます。「合格率が高い区分だから楽そう」 という選び方には根拠がありません。区分は設備の要件で決まる、という原則に戻ってください。
計算問題から逃げられるか、という問題
出題は5者択一ですが、選択式だからといって暗記だけで押し切れる試験ではありません。大気関係では 燃焼計算や排ガス量・排出濃度の換算、有効煙突高さや拡散の考え方、水質関係では処理装置の物質収支や 負荷計算といった数値問題が、科目の中に一定の割合で組み込まれています。5択なので選択肢から 逆算できる場面はあるものの、単位の扱い(標準状態の体積、mg/Lとppmの換算、酸素濃度補正など)を 曖昧にしたままだと、選択肢を見ても絞り込めません。
対策としては、計算問題を「解けるようにする」より先に「使う式を数本に整理する」ほうが早く効きます。 燃焼計算なら理論空気量と空気比、排ガスなら乾き・湿りの区別と酸素濃度補正、処理計算なら流入と流出の 収支。式そのものは多くありません。過去問を数年分並べて、同じ式が形を変えて出ていることを 確認するところから始めるのが現実的です。協会は電卓の使用について実施要領で別途案内を出しているので、 持ち込める電卓の条件は必ず受験案内で確認してください。
科目をどの順で片づけるか
- 受ける区分を確定させる。会社の選任要件がある人は先にそれを確認する。ここが決まらないと教材も過去問も選べない。
- 全区分共通の公害総論から入る。環境基本法や大気汚染防止法・水質汚濁防止法の枠組み、環境白書由来の時事的な内容が中心で、他の科目の土台にもなる。
- その区分の中核となる特論科目に時間を寄せる。大気なら大気特論とばいじん・粉じん特論、水質なら汚水処理特論が量も配点比重も大きい。
- 計算問題は後回しにせず、早い段階で式の棚卸しをしておく。直前期に詰め込むと最も崩れやすい領域。
- 1年で全科目に届かないと見えたら、無理をせず科目合格を取りにいく配分へ切り替える。3年の免除期間は、そのために用意されている制度。
- 5者択一に慣れる。4択より1つ多いだけですが、消去法の効き方が変わるので、本番と同じ5択で演習しておくと差が出る。
制度の確認は産業環境管理協会で
当サイトは学習者向けの非公式サイトです。試験日・申込期間・受験手数料・区分ごとの科目構成や 時間割・合格基準は年度によって変わることがあり、ここに記載した数値は2026年度の申込概要および 2025年度の試験結果に基づくものです。受験を決めたら、必ず一般社団法人産業環境管理協会が公表する 実施要領と受験案内で最新の情報を確認してください。
公害防止管理者試験対策としてできること
出題分野
公害防止管理者等国家試験の出題範囲を10分野・34カテゴリに整理しています。分野名を選ぶとカテゴリ別の集中演習に進めます。
本サイトは非公式の学習支援コンテンツです。掲載している問題はすべて独自に作成したオリジナル問題であり、公式の過去問を転載したものではありません。一般社団法人 産業環境管理協会をはじめ、試験の実施団体とは関係ありません。
学習状況ダッシュボード
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